超音波検査について

超音波検査とは

超音波検査とは、人の耳には聞こえない高い周波数の音波を体に当てて、反射した音波を受信して画像化する検査です。

超音波は放射線ではないので、身体に害はありません。

超音波検査では、臓器の形や大きさ、位置や動きなどをリアルタイムで観察できます。

当院で検査できる超音波検査は、以下の2箇所です。

  1. 腹部エコー
  2. 頸動脈エコー

腹部エコーとは

腹部エコーとは、腹部に超音波を当てて、肝臓、胆嚢、腎臓、膵臓(一部)、脾臓などの臓器を調べる検査です。

腹部エコーでは、前述の臓器の腫瘍や結石、炎症などの病変の有無や程度を判断できます。

一方で、胃や大腸などの内部に空気を含んだ管状の臓器(管腔臓器)は超音波が通りにくいため、詳しく調べることはできません。

腹部エコーで見つかる主な病気

腹部エコーで見つかる疾病の一部を紹介します。

  • 脂肪肝:肝臓に脂肪が過剰に蓄積される状態です。肝臓が明るく映ります。
  • 腎嚢胞:腎臓に液体が溜まった袋状のものです。ほとんどが良性ですが、大きくなると圧迫感や痛みを引き起こすことがあります。
  • 肝嚢胞:肝臓に液体が溜まった袋状のものです。ほとんどが良性ですが、稀に大きくなると消化管を圧迫し食欲に影響を及ぼすことがあります。
  • 胆嚢ポリープ:胆嚢壁から突出した組織です。ほとんどが良性ですが、大きくなると胆嚢癌のリスクが高まります。
  • 胆石:胆汁中のコレステロールやビリルビンなどが結晶化してできたものです。胆道を詰まらせると激しい痛みや黄疸を引き起こします。
  • 胆嚢炎:胆石などで胆嚢が炎症を起こした状態です。発熱や右上腹部痛などの症状があります。
  • 肝血管腫:肝臓にできる良性の血管の塊です。ほとんどが無症状ですが、稀に出血や破裂することがあります。
  • 胆嚢腺筋症:胆嚢壁に腺組織や筋組織が増殖する状態です。ほとんどが良性ですが、たまに胆嚢癌の合併があります。
  • 水腎症:腎臓の尿管が詰まって、尿が溜まって腎盂が拡張する状態です。尿路結石や前立腺肥大などが原因です。
  • 肝硬変:肝臓に慢性的な障害が起こり、正常な肝細胞が線維化や結節化する状態です。肝不全や消化管の静脈瘤、肝臓癌の原因になります。
  • 脾腫:脾臓が異常に大きくなる状態です。肝硬変や感染症などが原因です。
  • 肝細胞癌:肝臓にできる悪性の腫瘍です。肝硬変やウイルス性肝炎(例:B型肝炎・C型肝炎)などがリスク因子です。
  • 胆管癌、胆嚢癌:胆道、胆嚢にできる悪性の腫瘍です。
  • 膵臓癌:膵臓にできる悪性の腫瘍です。飲酒や糖尿病などがリスク因子です。

腹部エコーの方法

腹部エコーは、検査台に仰向けに寝て行います。

検査者は、超音波を伝えるためのジェルをお腹に塗り、探触子と呼ばれる装置をお腹に押し当てて動かします。

このとき、圧迫感や冷たさを感じることがありますが、通常は痛みはありません。

検査者は、画像を見ながら必要な部位を撮影したり、測定したりします。検査時間は約10分程度です。

腹部エコーの方法と注意点

腹部エコーは、空腹時に行うことが望ましいです。

食事や飲み物を摂ると、胃や腸に空気や内容物が入り、超音波の伝播を妨げるからです。

また胆嚢に蓄えられた消化液が流出し、胆嚢の中を綺麗に見ることができなくなります。

また、便秘やガスの溜まりも画像の精度を低下させます。

頸動脈エコーとは

頚部エコーとは、頚部に超音波を当てて、頸動脈の状態を調べる検査です 。

血圧やコレステロール、糖尿病、喫煙などで起こった動脈硬化の程度を評価できます 。

頸動脈エコーの方法

頚部エコーも腹部と同じように検査台に仰向けに寝て行います 。ジェルを首に塗り、探触子を首に押し当てて動かします。

同様に圧迫感や冷たさを感じることがありますが、通常は痛みはありません。

画像を見ながら必要な部位を撮影したり、測定したりします。

検査時間は約10分程度です 。

頚部エコーの場合は特に準備や注意点はありません。ただし、首にアクセサリーやマフラーなどをつけている場合は外す必要があります 。

超音波検査の費用

腹部エコーが1600円程度、頸動脈エコーが1100円程度(いずれも3割負担)となっております。

ただし、上記以外にも診察料などが変わりますので、詳しく知りたい方は直接医師に確認してください。