吐き気・腹痛・下痢にお悩みの方へ。もしかしたら胃腸炎かもしれません。
吐き気、腹痛、下痢が続く…。こんな症状はありませんか?
これらの症状は、もしかしたら胃腸炎かもしれません。
胃腸炎は、胃と腸の炎症によって引き起こされる疾患です。
この記事では胃腸炎について解説しています。
胃腸炎の症状とは?
胃腸炎は、胃と腸の炎症によって引き起こされる疾患で、以下のような症状が現れます。
- 吐き気と嘔吐
- 腹痛
- 下痢
- 発熱
- 脱水症状
これらの症状が続く場合や重篤な場合は、早めに医師の診察を受けることが重要です。
胃腸炎の症状:吐き気と嘔吐
食後や食間に突然の吐き気を感じ、嘔吐を伴うことがあります。嘔吐が続くと脱水症状を引き起こす可能性があります。
胃腸炎の症状:腹痛
鋭い痛みや鈍い痛みが腹部全体に広がることがあります。特に食事後に痛みが増すことがあります。
胃腸炎の症状:下痢
水様便や軟便が頻繁に出ることがあります。これにより、体内の水分やミネラルが失われ、脱水症状を引き起こすことがあります。
胃腸炎の症状:発熱
軽度から中度の発熱が見られることがあります。高熱が続く場合は、医師の診察を受けることが重要です。
胃腸炎の症状:脱水症状
嘔吐や下痢によって体内の水分が失われるため、口の渇き、尿量の減少、めまいなどの脱水症状が現れることがあります。
胃腸炎の原因と感染経路
胃腸炎の主な原因とそれぞれの感染経路を以下に示します。
- ウイルス
- 細菌
- 寄生虫
- 薬物
- 食中毒
- アレルギー
これらの原因を理解し、予防対策を講じることが重要です。
胃腸炎の原因:ウイルス
ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどが原因となります。感染者との接触や汚染された食品・水を介して感染します。
胃腸炎の原因:細菌
サルモネラ菌、大腸菌、カンピロバクターなどが原因です。未調理の肉や汚染された食品、水を摂取することで感染します。
胃腸炎の原因:寄生虫
ジアルジア、アメーバなどの寄生虫が原因となることがあります。汚染された水や食品を摂取することで感染します。
胃腸炎の原因:薬物
一部の抗生物質や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などが胃腸の炎症を引き起こすことがあります。
胃腸炎の原因:食中毒
不適切な食品の取り扱いや保存方法により、細菌やウイルスが食品に繁殖し、これを摂取することで発症します。
胃腸炎の原因:アレルギー
体質に合わない食物の摂取で胃腸炎症状を起こすことがあります。ただし花粉症や皮膚のアレルギーと違い、アレルギー性胃腸炎の原因物質の特定は非常に困難なこともあります。
胃腸炎の診断方法
胃腸炎の診断には以下の方法が用いられます。
- 症状の聞き取り: 患者の症状や食事歴、旅行歴などを詳しく聞き取ります。
- 便検査: 便を採取して、ウイルス、細菌、寄生虫の有無を確認します。
- 血液検査: 炎症の程度や脱水状態、電解質のバランスを評価するために血液検査を行います。
これ以外にも医師の判断により、追加の検査などが行われることもあります。
胃腸炎の治療法
胃腸炎の治療は、主に以下の方法が取られます。
- 安静: 十分な休息を取ることで、体の回復を促します。
- 水分補給: 脱水症状を防ぐために、適切な水分補給が必要です。電解質を含むスポーツドリンクや経口補水液が効果的です。
- 食事療法: 消化に良い食事を心がけ、脂肪分の多い食品や刺激物は避けるようにします。お粥やスープなどが適しています。
- 薬物療法: 必要に応じて、制吐薬や整腸薬、抗生物質が処方されます。症状に応じて適切な薬を使用することが重要です。
上記以外にも患者さん個人個人の症状と訴えに応じて、治療方針の決定や症状の改善を目指します。
クリニックでの診察と治療
当クリニックでは、胃腸炎の診察と治療を以下のように行います。
- 初診: 患者の症状や生活習慣について詳しく聞き取りを行います。
- 検査: 通常胃腸炎症状でただちに検査まで必要になるケースはまれですが、経過に応じて必要な検査(便検査、血液検査など)を実施し、正確な診断を行います。
- 治療: 推定される胃腸炎の原因や、症状に合わせた治療を行います。薬物療法や生活習慣の改善が含まれます。
- フォローアップ: 治療の効果を確認しながら必要に応じて治療を見直します。
患者が安心して治療を受けられるよう、丁寧な説明とサポートを行っています。
予防策で胃腸炎を防ごう
胃腸炎の予防には、以下のような対策が有効です。
- 手洗い: 食事前やトイレの後はしっかりと手を洗う習慣をつけましょう。石鹸と流水で少なくとも20秒間洗うことが推奨されます。
- 食品の適切な取り扱い: 生肉や魚を調理する際は、他の食品に触れないよう注意しましょう。また、十分に加熱調理することが重要です。
- ワクチン接種: 特に幼児にはロタウイルスワクチンの接種が推奨されます。(⭐︎当院では取り扱いがありません)
- 衛生管理: 食器や調理器具は清潔に保ち、定期的に消毒することが重要です。
日常生活での予防策を徹底することで、胃腸炎のリスクを大幅に減らすことができます。
脱水症状を防ぐための水分補給方法
胃腸炎による脱水症状を防ぐために、以下のような水分補給方法を実践しましょう。
- 経口補水液の利用: 電解質を含む経口補水液を摂取することで、体内の水分と電解質のバランスを保つことができます。
- 少量頻回の水分補給: 一度に大量の水分を摂取するのではなく、少量ずつ頻繁に摂取することが重要です。
- スポーツドリンクの利用: 軽度の脱水症状にはスポーツドリンクが効果的です。ただし、糖分の多い飲料は避けるようにしましょう。
適切な水分補給を行うことで、脱水症状を予防し、体の回復をサポートします。
適切な食事管理で症状を緩和
胃腸炎の症状を緩和するためには、以下のような食事管理が重要です。
- 消化に良い食品: お粥、スープ、うどんなどの消化に良い食品を中心に摂取しましょう。
- 脂肪分の少ない食品: 揚げ物や脂っこい食品は避け、低脂肪の食品を選びましょう。
- 少量頻回の食事: 一度に大量の食事を摂るのではなく、少量を頻繁に摂取することが効果的です。
- 水分補給: 食事とともに十分な水分補給を行い、体内の水分バランスを保ちます。
適切な食事管理を行うことで、胃腸炎の症状を和らげることができます。
早めの受診で症状を改善
胃腸炎は自然に軽快することも多いですが、他の人にうつしたり、腎障害など重篤な合併症を起こす可能性もあります。
適切な診断と治療を受けることで、症状のより早期の改善が期待できます。
当院では、消化器病の診断・治療を専門にした医師が在籍しています。
どうぞお気軽にご相談ください。