花粉症は早めの治療が効果的です

花粉症患者は毎年増加傾向にあり、2020年に改定された「鼻アレルギー診療ガイドライン」では次のように報告されています。

1998年のスギ花粉症の有病率は16.2%であったのが、2019年には38.8%まで増えていました。
年齢別では、70歳代で5.6%から20.5%60歳代では10.6%から36.9%と増加が見られています。

さらに、花粉症を含めた何らかのアレルギー性鼻炎の有病率は、1998年で29.8%だったのが、2019年では何と49.2%

もはや日本人の二人に一人はアレルギー性鼻炎を持っているのです。

 

このように、実に多くの日本人が花粉症に悩まされています

そんな国民病とも言える花粉症ですが、可能な限り症状を抑えたいと多くの人が思っているはずです。

実は、花粉症は症状が出る前からの治療が効果的なんです。

最新のガイドラインをもとに解説します。

花粉症は最新のガイドラインで早めの治療が推奨されています

花粉症に関する治療ガイドラインでは、スギ花粉症に対して「本格的な花粉飛散前からの治療を高く推奨」しています。

実は少ないながらも、スギ花粉は本格的な飛散シーズンである2月〜4月以外にも、なんと7月〜8月を除いて1年中飛び続けているというデータがあります。

そこで治療ガイドラインでは、”本格的な花粉飛散予測日より前にすでに症状が出ていれば内服治療を開始すべき”と記載されています。

事実とある研究では、よく処方される飲み薬(内服薬)の抗アレルギー薬(一番一般的な第二世代抗ヒスタミン薬=アレグラ、アレロック、ザイザル、ビラノア、デザレックス等々)は3年間全国から蓄積された処方のデータで、本格的な花粉飛散前からの治療初期療法を行った患者さんのほうが症状が有意に抑えられていたという報告があります。

また、鼻噴霧薬では”4週間前から初期療法を行うと症状が有意に緩和される”とか、”費用対効果面を考えると1週間前からが良い”という記載もガイドラインにあります。

 

一方、実験室内で「実際に花粉症患者の被験者に花粉を浴びてもらう実験」を行ったところ、”初期療法をやってもやらなくても症状出現後すぐに薬を飲み出せば効果は変わらなかった”とのデータもある様です。

この結果は、最近の抗ヒスタミン薬の優れた即効性を証明する実験ではあると思います。

ですが、”花粉症の症状の出現には排気ガスの吸入の影響もある”との説もあり、実験室では実際の生活の環境が再現できていない可能性はあるとは思われます。

いずれにせよ、症状を可能な限り抑えたい方は本格飛散予測日の1ヶ月〜1週間前に初期治療を始めることをお勧めします。

風邪とアレルギー性鼻炎

さて日常診療をしていて、のどの痛みなど他の風邪症状がない鼻水、鼻詰まりの方をよく診ます。

「熱や咳もないしアレルギー性鼻炎の可能性が高いんじゃないでしょうか?スギやブタクサなど有名な花粉症の時期じゃなくてもイネとかダニ・ハウスダスト他、抗原に成りうるものは一年中身の周りにありますよ。」と申し上げると、多くの方は納得されて抗アレルギー薬による治療をお受けになります。

ただ、同じようなケースで「鼻風邪をひいた」とおっしゃって来院され、症状を伺って「風邪みたいな感染ではなくて、実はアレルギー性の鼻炎の可能性もあります」と申し上げると「そんなこと言われたことないし、絶対風邪よ」とおっしゃって、風邪薬を希望する患者さんもいらっしゃいます。

しかしそう思われるのも無理はなく、アレルギーの発症は急ということもあり、過去にかかったことのある病気既往にないことも十分あります

風邪薬と抗アレルギー薬は似ているが違う

ちなみに、風邪の際に総合感冒薬で処方されることの多い「PL顆粒」の中には、抗アレルギー(抗ヒスタミン)成分であるプロメタジンが含有されています。

ということで、鼻炎にも一部の風邪薬は効くには効くのですが、現在花粉症ガイドラインで推奨されている第二世代抗ヒスタミン薬ではなく、古い第一世代に当たるもので、アレルギー症状を強くを抑えると同時に眠気の副作用が強いものとなっております。

その上、アレルギーに特化している薬ではないので、アレルギー性鼻炎の際に処方される抗アレルギー薬より有効成分は少なめです。

また、総合感冒薬には解熱・鎮痛成分であるアセトアミノフェンなど、アレルギーの治療には必要ない成分まで入っています。

このように、アレルギー性鼻炎に風邪薬は適していないため、症状にあった薬を処方してもらい、内服するようにしましょう。

コロナとアレルギー性鼻炎の違いは?

あくまで一般論ですが、コロナ感染の初期症状に多い発熱、咽頭痛、咳、倦怠感、呼吸苦、味覚障害、嗅覚障害よりも低く、鼻水や鼻詰まりの症状はあまり典型的ではない様です。
(参考:新型コロナ典型的な症状、経過、重症化のリスク、後遺症について

花粉症・アレルギー性鼻炎とオンライン診療

花粉症やアレルギー性鼻炎は、オンライン診療に最も適した疾患の一つと考えられます。

診断がすでについていて継続で処方をするケースなどでは、わざわざこのような時期に病院に来院して頂くメリットは皆無です。

また初診も、完全な鑑別は難しくても上記の様に問診だけである程度当たりをつけることができ、かつ結局風邪であってもアレルギーであっても鼻の症状に一番効くのは抗アレルギー薬という訳で、やはり診察と治療が完結しやすいと考えられます。

まとめ

  1. 花粉症患者は年々増えています。あなたの症状は実は花粉症かもしれません。
  2. 症状を和らげたい方は本格的な飛散シーズンより前から治療を開始しましょう。
  3. 風邪の場合、実は鼻の薬は結局花粉症の薬と同じものです。
  4. 鼻炎のような症状はコロナの初期症状ではあまり典型的ではない様です。
  5. 以上の点より花粉症とオンライン診療は大変相性がいいと思います。

花粉症、アレルギー性鼻炎でお困りの方はぜひ当院のオンライン診療を受診してみて下さい。

引用文献:鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版

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